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ウッドピロス柿渋歯磨液は全国150ユーザー歯科医院の指導のもとで使われています。

wood pyros歯磨液治癒システムと各種治療の相関関係shop info

症例1 wood pyros歯磨液治癒システムと各種治療の相関関係

  • 昭和22年生まれ,1947年生まれのyさんの症例を見てみよう。
  • 平成6年(1994-当時47才)の初診。主訴は┗7の抜歯依頼であった。
歯周病の治し方
  • レントゲン写真を見ると┗6┏7もやられていることが分かる。
歯周病の治し方
  • 歯周基本検査表を見れば、来るべき抜歯部位があなたにも分かる。そう,次に来るのは┗6の抜歯。は危険。●●は非常に危険,手遅れ,抜歯を表している。
歯周病の治し方
  • 主訴:┗6がガムなどかんだ時にしみる。
  • 処置内容:抜髄
  • ポケットが深くなると歯根近くまで冷水が達するので、「しみる」という愁訴になる。
  • 「虫食いでしみるんですか?」と聞かれるが「歯周病でしみる」「ポケットが深いためしみる」「歯肉炎でしみる」という言葉は一般的に知られていない。
  • 「しみる」と言えば「虫食い」と「知覚過敏」程度が知られている。
  • 歯周基本検査のデータによりC(虫歯や知覚過敏)由来かP(歯周ポケット)由来かG(歯肉炎)由来かを判別する。
  • 現在歯肉炎も歯周炎に包括されたが、小生は反対であえて歯肉炎を使う。
  • レントゲン像で歯槽骨の吸収が見られないのにポケット値が4ミリ以上のものを言う。
  • ただしこれ以下でもジミジミするとか、チリチリするとか、冷たい物がしみると言った時は歯肉炎と判断する。
  • この症例の場合,歯根からの歯髄炎(逆行性歯髄炎)の可能性もあるので抜髄(歯の中の神経を抜く)した。
  • 平成10年の時点では抗菌剤ジスロマックがまだ厚生省に認可されていなかったので、一歩踏み込んだ歯周治療方針が立てられなかった。
  • 現在の治療方針であれば、┗45を抜髄し┗456の連結冠にする。
  • ではその当時何故┗456の連結冠にしなかったのか?それはその当時柿渋歯磨きやジスロマックがなかったからだ。
  • その当時は┗456の連結冠にすると┗456の連結冠ごと歯周病で抜けたからである。3本抜けるより1本づつ抜ける方が患者さんの心理的ダメージが軽いからだった。
  • 良かれと思ってした321┻123連結冠や123┳123連結冠の抜歯に何度も合うたびに、口腔清掃が悪いからとは言え、6本前歯がなくなるというショックは患者さんのみならず歯科医師にとっても心の痛む出来事であった。
  • それで1本ずつ入れ歯を増やす方が患者さんにとってベター良いと考えた。
  • 打診痛,冷水痛あり。
歯周病の治し方
  • 主訴:┗6動揺して物が食べられない。
  • P4で歯根全てが汚染されていた。
  • この程度のレントゲン写真であれば助かると判断しがちであるが、抜歯してみれば3根ともヘドロ状に汚染されていた。
  • 一応助ける行為をしてみる。しかし,データがなかなかよくならない。こういった場合根尖まで汚染されている場合が多い。
  • 処置内容:抜歯

歯周病の治し方
  • 次は┏7の抜歯が予想される。
歯周病の治し方
  • 主訴:6┛P側あたりがしみる。
  • 打診痛,冷水痛あり。
  • 処置内容:抜髄

歯周病の治し方
  • 12年9月12日から13年6月12日の8-9ヶ月間柿渋歯磨きの中断があった。
  • 2001年54才。思わぬ部位からも悪化が始まった。全面戦争に突入した感じがする。
  • この時期に手をこまねいているとこの人は確実に総入れ歯になる。
歯周病の治し方
  • 13年6月来院された時は惨めな状態であった。「君ならどうする?」という状態で歯科医師の技量を問われる症例となった。
  • 主訴は1┛が金曜日痛かった。今日は痛くない。は危険。●●は非常に危険,手遅れ,抜歯が当然の歯である。
歯周病の治し方
  • この歯周基本検査を見れば皆さんは次のように判断するだろう。
歯周病の治し方
  • そして最低このようになる。
歯周病の治し方歯周病の治し方
  • レントゲン写真を見れば21┛を残すことは不可能に近い。┗123のみが現時点では残せる歯と考えられる。しかし,その有効期間は多分1年間もないであろう。7654321┛┗45抜歯が確実な症例である。
  • 2年間保証しろと厚生省からの通達があるが、当然保証できない歯である。
  • 医療は無駄と分かっていても患者さんが納得するまで治療のお付き合いをするのが医者である。どうしようかともがき苦しみながらも治療を続けるのが医者である。
  • だのに歯科の場合、2年間保証無きものは扱ってはならぬと来た。死ぬと分かっていても終末医療を施し,その医療費はその人の一生の医療費の三分の一使うという。しかし歯科にはその自由裁量が許されていない。
  • 患者さんの我が儘は国によって制限されていることを患者さんも知って欲しい。患者さんの要望と国の保険診療制限のハザマで歯科医師は苦しんでいる。別にサービス治療を国は制限してはないが、その対価がなければ経営が成り立たない。
歯周病の治し方
  • 半年間の中断があった。快復途上で使用中断すると恐ろしくデータが悪くなる。1階から2階に架かっている梯子を登っている途中で止めると転がり落ちる。1階で止まればまだ良い方で地下まで転げ落ちる勢いでデータが悪化する。
  • 7ヶ月間中断している間に急激に悪化した。歯周疾患はぼちぼち悪くなる人もいれば,半年間で急激に全歯列がやられる人がいる。
  • 今年は大丈夫だから来年は大丈夫という保証はなく,ストンと悪化する人がいる。
  • 自分は大丈夫と思っている人もせめて半年毎の歯周基本検査を受け、歯周組織悪化の兆しを知るべきだ。
  • ここまで見られた皆さんなら検査表で将来が予知できる能力を身につけられたと思う。自覚症状は末期症状であることも分かったと思う。歯周病が沈黙の病気と言われる所以である。
  • 軽いうちに、歯周病で歯槽骨が痩せる前に歯周病をコントロールすれば、歯を支える歯槽骨も沢山あるので連結冠する必要もない。
  • 歯周病コントロールを続ければ虫歯治療も減少する。
  • こんな事をやめ、歯周病で歯が一本抜けるたびに入れ歯を作ったり、ブリッジをやり直したりする方が儲かるみたいで、決してこのような治療方針は真似ない方が良い。
歯周病の治し方
  • ジスロマックを投与するといっきにポケット値が改善する。後は柿渋歯磨きで徐々に改善するしかない。
  • この症例はわりとジスロマックの効果が顕著に現れているが現れない症例も多い。
歯周病の治し方
  • この人の場合1┛は手遅れの歯と判断して良い。
歯周病の治し方 歯周病の治し方
  • 抗菌剤ジスロマック投与で細菌を叩いてどれくらい持つか?を知るために経過観察をした。
  • 14年10月1日投与。15年10月29日から16年5月18日の中間が妥当であろう。概ね1年半。この傾向は他の症例でも観察された。
  • これにより当院では抗菌剤ジスロマックの投与を1年毎と定めた。小生も家内もジスロマックを1年ごとに内服している。悪化してから内服するのではなく、安全域での服用が重要と考えているからである。
歯周病の治し方
  • 検診の間隔が開くと悪化した。また会社を辞め再就職と言う問題もからみ,ストレスによりデータが悪化したとも考えられる。体調も悪いとの事。リストラは過酷なストレスを与える。
  • ストレスが免疫能力を下げるという。そうであっても歯周組織改善の治癒システム構築を我々歯科医はする必要がある。決して不摂生やストレスや老化や遺伝を隠れ蓑にしてはいけない。
  • 検診の間隔が開くと悪化する。検診の間隔設定は難しい。1ヶ月毎のクリーニングをしている場合はデータが好転する。クリーニングの間隔があくと悪化する。このことより適切な期間の定期的なSC,SRP,PMTCが必要であることが導かれる。その理由はデータの悪化が示している。適切な間隔は2,3,4,5,6ヶ月と間隔を増やしていってデータが悪化しない所で決める。
  • 抗菌剤ジスロマックについて一言。ジスロマックは他の抗菌剤に比べて副作用を訴える比率が高い。腹痛。下痢。胃がやられた。気分が悪くて寝込んだ等。それであれば仕方がないが効果は抜群なので、ぜひ服用してもらいたい。
  • 柿渋歯磨きは夢の歯磨液ではない。定期的な歯科のクリーニングと定期的なジスロマック服用が必要である。また,悪化の兆しを歯周基本検査で察知し歯科治療を施すことも大切である。
治癒システムと各種治療の相関関係
歯周病の治し方
  • おのおのの治療と歯周基本検査データの関係図を見れば、歯周基本検査は全ての治療のコア中心であり、監視センターの役割を担っている。
  • 治療方針は歯周基本検査を参考に決定される。治療方針が正しければ歯周検査に結果として反映される。結果が出なければ,いずれかに問題がある。
  • とくに歯肉マッサージ圧の調整とマッサージの仕方と歯間ブラシの使い方は重要である。
  • 抗菌剤はデータ改善に対し一方的に貢献するが、歯科治療の場合設計を誤れば一方的に貢献しない。他の治療でも歯周組織が耐えられない時期が来る。その訪れは歯周基本検査で分かる。その時はためらわず歯科治療で連結冠を施す。
  • 歯周治療も一方的に貢献するが,改善しない部位があれば歯周治療が不完全であったと判断し,その部位の歯周治療を行えばよい。但し手遅れの場合もあるので,一概に歯周治療不完全とは言えない。
  • 4つの治療がなされて改善しない場合は手遅れの歯と判断してよい。
  • 抜歯したら分かる事だが、レントゲン像に問題がないのに何故かポケット値が改善せず咬合痛を訴える場合がある。
  • こういう場合も抜歯すれば分かることだが,歯根は赤黒色の歯石で包まれている。
  • こういう場合、動揺のない歯が多い。歯槽骨が周りにあるので汚染部位を取り除くことは不可能である。
  • こういう場合は再植の準備をし、抜歯して汚染部位を除去し、再植キッドで洗浄して元に位置に戻し、隣接歯牙と固定すれば助かる可能性がある。
  • 但し歯根膜のついた部分しか接着しない。過度の期待はしないように。
  • また、レントゲン像だけで助かる、助からない、Pだ、Pではないと判断してはならない。歯周基本検査と合わせた診断をする必要がある。


レントゲン写真で治療経過を見てみよう。
歯周病の治し方
歯周病の治し方
  • 平成6年初診からのパノラマ写真を見て思うことは,この時点で柿渋歯磨きしていれば┗7の抜歯だけ済んでいただろうという事である。
  • 6┓の歯は触らなかった。 6┓ の歯内療法に問題があるとは思わなかった。6┓の歯内療法をしなかったからPになったのか?65┓連結冠にすればPは防げたか?それを検証することは難しい。
  • 13年に問題なくとも18年で歯内療法の不完全さが露呈することはよくある。起因物質があっても若いうちは免疫の力で封じ込められ骨変化までに至らないことがよくある。
  • 過剰診療と言われるのが嫌で,特に主訴がない限り歯内療法をしないことが裏目に出たか。

歯周病の治し方
  • 某歯科新聞に載っているレントゲン写真を見れば抜歯の判断基準がまちまちであるのに気付かれるだろう。
  • 6┛4┛┏7が抜かれインプラント治療に置き換えられている。
  • 他の歯を見る限りでは骨レベルが上がったようには見えない。
歯周病の治し方
  • 13年6月19日に暫間固定して様子を見た。2年後改善の確信が持てたのでブリッジにした。5年後の18年10月でも悪化していない。
  • 5年前のお肌を現在まで維持できる化粧品があれば、売れる。
  • 30才のお肌を50才,60才まで引き延ばせる化粧品があるとしたら、毎月10万円かかったとしても売れるだろう。多分それはアンチエイジング系に属していてホルモンシステム系に属しているだろう。塗布薬ではなく内服薬に活路があるだろう。化粧品をぺたぺたお肌に塗っても意味はないだろう。

歯周病の治し方
  • 13年8月8日に暫間固定したが、5年後の18年10月でも悪化していない。
  • 7654┛の連結冠にすれば65┛間の食片圧入がないので6┛の近心根の骨吸収はなかったと思う。
  • この場合もper由来のP像と90%思われ歯内療法のやり替えをした方が良いと思われるがそうでもない。P由来と思われる。

歯周病の治し方
  • 平成9年からの処置歯て゛近心根の根充がなされていない。訴えのない限り、たとえレントゲンで悪いと分かっていても治療しないことにしているので、そのままにしていると、根尖病巣由来のP像になってしまった。
  • 初診のレントゲンでこういうケースによく遭遇し、per由来かP由来か迷うことがある。こういう場合でもper処置なしで65┓連結冠にすれば改善することが多い。

歯周病の治し方
  • 平成6年┗7を抜歯。4年後の平成10年┗6を抜歯。
  • 平成 10年1月7日の時は良かった4も13年7月10日では惨めな状態になっていた。
  • ┗4抜歯と思ったが暫間固定をして様子を見た。
  • 5年後の18年10月でも歯槽骨の状態は悪くなっていない。残るかな?と思って暫間固定していた。
  • ┗345の連結冠にしていたらもっと良い状態になっていたかも知れない。
歯周病の治し方歯周病の治し方
  • 暫間固定を取り外し連結冠に変えていく予定である。 
  • ここで大阪歯科保険医新聞 2006年10月15日付け 「歯周基本治療とP処」 の記事を参考として引用する。『06年4月の診療報酬改定で,P管理、やP処の考え方が変わった。
     
  • P管理は,初診時の歯周組織検査が厳密に求められるようになった。
  • 指導・管理には診療方針が必要で,診療方針は歯周組織検査に基づいて策定されるとの理由による。
  • 月末に来院した初診患者で,PulやPe rの症状から緊急の処置を優先したためにP管理が算定できないケースも出てくるが,その場合は,初診月に口衛指を,再診月以降にP管理を算定しても良い(7月31日付厚労省事務連絡通知)。ただし,補綴治療等は歯周疾患の病状安定後に行うものとする。』
  • 「病状安定をどこに置くか」御役人様の指示と現実にはかなり隔たりがある。通達に従うと前に進めない。
  • 歯周基本治療、歯周治療だけではなかなか治癒しない。歯周治療だけで歯周疾患の病状安定が図れるなら補綴治療による連結冠は必要ない。
  • ロングスパンの場合、暫間固定で動揺を抑えるのは難しい。暫間固定で何本固定しても動揺がなくせない場合は治ると信じて抜髄し出来るだけ早く連結冠をした方がよい。
  • 補綴治療等は歯周疾患の病状安定後に行うまで待てば助かるものまで助からない。治癒しない部位は両サイドを切断して切り離すか、歯根を切断し抜歯してダミーにすればよい。
  • 補綴管理期間2年が済めばやり直しをすればよい。
  • 歯科治療で動揺を抑えることは治癒条件の一つであり,これなくして治癒はあり得ない。
  • 暫間固定では食片圧入の為害作用を防げない。早く連結冠にすべきだ。
  • 4つの要素を同時に並行して行い早くメンテナンスに移行すべきだ。
  • 補綴治療が終了するとぐんとデータがよくなるのに気付くだろう。
  • 患者さんも安心して噛めるようになり、食事内容も向上して健康になり、免疫能力も上がる。唾液量も増える。適度な咬合圧バランス分散圧力がなされる。
  • 病んで耐えられない圧力も連結冠による圧力の分散で許容範囲におさまれば治癒は始まる。
  • 補綴治療等は歯周疾患の病状安定後に行うまで待ってはいけない。
  • 御役人様のお言葉に従えば抜歯ばかり増えてしまう。御役人様の綺麗な言葉に現実味はない。
  • 現場で闘っている歯科医師に対する御役人様の御言葉である通達はいつも虚しく聞こえる。
 
キーワード:
虫歯は年代に関係なし
歯周病は年代に関係あり
 歯を磨かないでも砂糖をやめ,硬いもの,粗食で過ごせば虫歯にはならない。貧しく自然に生きれば、虫歯にはならないが歯槽膿漏にはなる。これはテレビで中国の貧しい人々やアフガンの人々をみれば分かる。 何故歯周病になるのだろうか?答えは細菌のエサの違いにある。虫歯菌のエサが砂糖であるのに対し,歯周病菌のエサが蛋白質であるからだ。 タンパク質と消化液(タンパク質分解酵素)を取り上げれば、歯周病は治る。 果たしてそうだろうか? 何故歯周病になるのだろうか? 答えは若さの違いにある。20代を過ぎると歯周病に悩む人が出てくる。大多数の人は50代前後に歯周病で歯を全部失ったという人が出てくる。虫歯は年代に関係ないが,歯周病は年代に関係する。 若くても虫歯にはなれるが,若くして歯周病にはなれない。年とっても虫歯にはなれる。 歯周病罹患の理由として 免疫能力の低下 があげられている。免疫能力が低下すれば風邪を引きやすいということか? 周りの人を眺めると必ずしも歯周病の人の方が風邪を引きやすいとは思えない。幼児は免疫能力の未成熟で感染しやすい。しかし,歯周病にかかった幼児を頻繁にみることはない(特異的遺伝体質の幼児は除く)。幼児と中高老年の違いは歯周組織の再生能力の違いにある。0-9代は乳歯と永久歯の混合歯列で歯冠に歯肉が引っ付いている。10代後半まで歯肉は歯冠に引っ付いている。歯肉が歯冠部より離れ歯根部に移行した頃より歯周病は始まる。 なぜ歯肉は歯冠部より離れるのだろうか? その答は萌出にあり。歯肉が歯冠部にくっついている時はまだ歯は萌出時にある。歯肉が歯冠部から離れた時点で萌出が完了する。萌出完了後も歯が出てくる時(伸びてくるという表現を使う患者さんもいるが)は挺出という。 萌出完了後歯冠と歯根部の境目である歯頸部から歯肉が下がることを退縮という。退縮は年代に比例するのだろうか?同じ50代でも歯茎が下がり歯と歯の隙間があく人もいればそうでない人もいる。そうすると,かならずしも年代に比例するとは言えない。答は遺伝体質と歯肉環境にある。免疫能力は年代に比例する。組織再生能力も年代に比例する。歯磨きする人としない人がいる。歯磨きの丁寧な人とそうでない人がいる。これは若い人も中高年も関係ない。年をめされた方でも丁寧に歯磨きされたお口に接することは度々ある。 歯茎が痩せた症例は綺麗に磨いても遺伝的に歯茎が弱く炎症を起こしやすい人や口腔清掃が悪いため歯茎に炎症を起こす人に多い。爪楊枝を突っ込む人にも多い。つまり歯茎に炎症を生じると歯茎が痩せる。炎症がなければ歯茎は痩せない。炎症を止めれば歯茎はやせない。炎症を止めるには炎症性物質をなくせば良いと分かる。 主婦の友読者から、こういうお手紙をもらった。その一部を紹介する。  主人は現在50歳になります。(中略)ところが、3年前くらいから口臭がするので私のかかりつけの歯医者さんで治療を続けています。最初は歯石をとり初め、現在はひどい歯ぐきを切開し、歯石を取り様子をみている状態です。特にこのごろは固いものが奥歯ではかめず、やわらかいものを食べると言っていますが、まだ若いのにそれではと思っています。(中略)とても心配です。(中略)いろいろためしているのですが効果がみられず、歯医者さんには定期的に通っているんですが、先生も治療もだいたい終わって他に治療がないと首をかしげております。(中略)このごろ、やわらかい食べ物と言うんです。まだ、若いのに、あごの筋肉がおちたり脳がおとろえたりしたらと悩んでいます。そんな時柿渋歯磨きの記事を読みました。近くにリストに載っている歯医者さんもなく、通院も難しいので、(中略)ぜひ試してみたいので、アドバイスと共に柿渋歯磨きをためしたいのです。通院もしないで、まして歯もみせず、無理を承知でお願いします。どうぞ主人を助けて下さい。 どうして「他に治療がないと首をかしげております。という事態が生じるのであろうか?それは以下の説明文で説明される。  現在でも歯周病の予防は、1960年代の病因論に基づいた方法に頼ったままである。すなわち、歯石を除去するスケーリングとプラークを物理的あるいは化学的に除去するプラークコントロールが主な歯周病の予防法として用いられている。われわれ歯科医療従事者が歯石除去やプラークコントロール以外の有効な歯周病予防法をもっていないことによるものと思われる。 参考文献を紹介する。 第11章 歯周病の予防と治療の現状と将来展望 古賀 敏比古 九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座教授 459-461頁 先端医療シリーズ.歯科医学2 歯周病 先端医療技術研究所 2000年8月31日発行
1,歯周病の予防と治療の現状と将来展望
1.1はじめに
 わが国においては若年者のう蝕が減少の傾向にある。例年文部省から発表される「学校保健統計調査速報」によると、12歳児の一人平均DMF歯数(一人平均う蝕経験歯数)は昭和60年度に4.63であったが、平成元年度では4.30、平成5年度では4.09、平成11年度では2.92にまで減少している。一方、厚生省の「歯科疾患実態調査」によると、5歳以上の人で永久歯の歯肉に所見がある人の割合(率)は、昭和62年度において64.3%であったが、平成5年度において68.1%、平成11年度においては72.9%と逆に増加している。5歳以上の人の歯周炎の罹患者率の方も、平成5年度において23.4%であったが、平成11年度においては32.5%と増加している。なぜ、最近の国民と歯科医療関係者の歯周病に対する関心の深さにもかかわらず、歯周病の予防対策は効果が上がっていないのだろうか。本草では、この点について考察し将来の歯周病予防のあり方について考えてみたい。
1.2 プロフェショナルケアの推進の必要性
 歯周病の予防のための手段としては、地域・集団単位で実施する公衆衛生的ケア(public healthcare)、個人が実施するセルフケア(self-care)、歯科医師や歯科衛生士などが実施するプロフェショナルケア(professsional care)に分類できる。
 現在実施されている歯周病の予防を目的とした公衆衛生的ケアとしては、健康教育、食生活指導、口腔衛生指導などがある。最近、歯周病のリスクファクターとして喫煙、肥満、心理的・社会的ストレスなどが注目されるようになってきた。今後、これらのリスクファクターに関する健康教育が重要視されるようになるだろう。しかし、われわれ歯科医療関係者は、歯周病の予防に真に有効な公衆衛生的手段を未だ手にしていない。将来的には、公衆衛生的ケアのために歯周病ワクチンなどの開発を推進すべきであろう。セルフケアとしては、食生活の改善、口腔清掃、セルフチェックなどがある。歯周病の予防における歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを用いた口腔清掃の重要性は言うまでもない。プロフェショナルケアとしては、口腔衛生指導、歯石除去、専門家による機械的歯面清掃(profbssional mechanical toothcleaning;PMTC)、定期検診などがある。
 これまでの歯周病の予防は、ややもすれば画一的なブラッシング法などの指導を行い、セルフケアに重点を置いたものであった。歯周病を発病した患者に対しては、患者自身のセルフケアの不足のせいにすることが多かった。しかし、セルフケアのみに頼る歯周病の予防の効果には、おのずと限界がある。歯周病は複数の病型からなる疾患であり、個々の人がもっている歯周病のリスクファクターは異なっている。今後は歯科医師や歯科衛生士のような専門家による個人がもつリスクファクターに対応したきめ細かな口腔保健指導や口腔健康管理が重要視されるべきであろう2)。とくに、専門家による定期的な歯石除去やPMTCは歯周病の予防には効果的である。21世紀においては、歯科医療は旧来の“疾患治療型"から“保健管理型"に転換すべきであろう2)。
1.3 若年時からの口腔管理の必要性
 歯周病は一般に成人病あるいは老年病としてとらえられている。しかし、平成11年度の厚生省「歯科疾患実態調査」によると、歯周炎(歯周ポケッ3ト4mm以上)に罹患した人の割合は、5〜14歳で0%であるのに対し、15〜24歳で10.4%、25〜35歳で21.5%、35〜44歳で31.5%、45〜54歳で43.5%、55〜64歳で50.0%というように20歳以後に急激に増加している1)。さらに、重要な疾患として早期発症型歯周炎の存在もある。これらのことから、歯周病の予防は、二十歳前の早期に開始しておくべきであろう。
1.4 病因論に基づいた新しい歯周病予防法の開発の必要性
1960年代まで、歯周病の原因は歯石やプラークであると信じられてきた。その後、免疫学の発展にともない宿主の応答が重要視されたり、特異的な細菌が次々と歯周病の原因菌として浮上した。現在では、歯周病はいくつかの特異的な細菌と宿主との相互作用によって惹起されると考えられている。しかしながら、現在でも歯周病の予防は、1960年代の病因論に基づいた方法に頼ったままである。すなわち、歯石を除去するスケーリングとプラークを物理的あるいは化学的に除去するプラークコントロールが主な歯周病の予防法として用いられている。確かに、歯周病細菌が生息しているプラークを除去することやプラークが付着しやすい歯石を除去することは、歯周病の予防には一定の効果がある。しかし、今後歯周病の予防をさらに推進するためには、原因となる歯周病細菌を直接抑制できる方法や素因である宿主の防御機構をコントロールできる方法の開発が望まれる。
 歯周病細菌をコントロールする方法としては、先ず第一に歯周病ワクチンの開発が期待される。遺伝子操作により大量生産した歯周病細菌の病原因子がコンポーネントワクチンとして使われるかもしれない。DNAワクチンも応用される可能性もある。また、タバコなどの植物に歯周病細菌に特異的な抗体を発現させて得た植物抗体やウシを免疫して得た植物抗体などを応用した受動免疫も開発されるかもしれない。
 さらに、歯周病細菌を特異的に抑制する抗生物質や抗菌剤の開発も可能である。この場合、菌交代症を発生させることがないようにしなければならない。また、プロテアーゼやロイコトキシンのような歯周病細菌の病原因子を阻害するような薬剤も歯周病の予防に使えるかもしれない。しかし、歯周病細菌のなにがほんとうの病原因子なのかは不明なままである。
1.6 おわりに
 上述したように、近年、歯周病に対する国民の関心が強まっているにもかかわらず、わが国における歯周病の罹患状況は改善されているとは言い難い。これは、われわれ歯科医療従事者が歯石除去やプラークコントロール以外の有効な歯周病予防法をもっていないことによるものと思われる。今後、歯周病の発病メカニズムの解明と病因論に基づいた新しい歯周病のリスク評価法・予防法の開発がさらに進展することを期待したい。
                            
「虫歯は一本もないのに、歯槽膿漏で全部なくなった」と言う人がいる。この違いは虫歯菌と歯周病菌のエサの違いによると述べたが,歯周病になりやすい体質遺伝の影響は大きい。まだ100%の症例を救えず難症例にも遭遇しているので「歯周病で悩むことはなくなったと思う」とは言い難いが、この症例や他の症例でお分かりのように、なんとか以前よりは歯周病をコントロール出来るようになったと自画自賛している。先進国日本にあって、歯科医院が乱立する日本にあって、歯周病の検査を受けないのは恥ずかしいし何の言い訳にもならない。自覚症状に頼るのは下の下である。自覚症状は末期症状の表れである。皆さんはこの症例でそれを理解したはず。手遅れにならないうちに最寄りの歯科医院で歯周病検査を受けて頂きたい。そして早い段階で歯周病を叩いて欲しい。

制作著者情報

岡野歯科医院

〒571-0011
大阪府門真市脇田町17-1
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